自衛権以前にある問題としてのF35

 憲法9条でもめている日本だが、個人的には前から思っているのは実際の所本音でいえば9条は別にそんなに特殊な内容ではないでしょという事。世界中の国の軍隊はだいたい国防や防衛のために軍隊が必要だと言う名目になっているので、そういう意味では自衛隊もそんなに変わった思想で設立されているわけではない。何しろナチ時代のドイツでも軍隊の名前は国防軍なのだから、大体どんな国でも名目は自衛隊的な思想や概念によって作られるわけだ。むしろ、問題になっているのは実際の軍備に防衛力がないことだろう。それなのに9条で騒いでF22がかえず、F35が遅れて、ちょっと改造したとはいえ未だにベトナム戦争でも使われてたF4が所有する戦闘機のかなりの部分を占めている。F4の初飛行はなんと1958年5月27日で、50年以上も前のこと。しかもそれが占める比率がまた割りと多い。適当に所有している戦闘機の機数を調べるとこんな感じだった。

F-15J:165機 F-15DJ:48機 *1
F-2A:62機 F-2B:32機 *2
F-4EJ改 ※90機 *3
F-4EJ 140機 *4

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%88%AA%E7%A9%BA%E8%87%AA%E8%A1%9B%E9%9A%8A%E3%81%AE%E8%A3%85%E5%82%99%E5%93%81%E4%B8%80%E8%A6%A7

 F4には二種類あるが、F4EJの方は「延命・能力向上目的の改修」がされていないもので、かなり古い機体だ。そして改修されているF-4EJ改ですら、改修を始めたのは1989年と既に20年以上前の改修という事実が恐ろしい。そしてその老朽化している戦闘機の代替が最近ニュースで騒いでいたF35*5なのだが、これが今から買い取って何年か単位で配備されるならいいのだけど、まだ開発が終わっていないわけで、こんな状態で米軍がいなくなるなんて事は危険以外なんでもない。実際米軍がいなかったら通常戦力でも中国は十分すぎる程脅威だ。その上中国には核もあるわけで、集団的自衛権どころか、自衛権も行使できるのかどうかという所ではないだろうか。そもそも自衛権の範囲でやっている事もこの状態では9条改定してちゃんと装備が揃うのか結構疑わしいと思わざる得ない。まず、その出費に耐えられるのかも怪しい。尖閣の問題で血気盛んに中国を煽る子供もいるが、経済的にも軍事的にみても、どうしてそんな強気になれるのか良く分からない。別に私はF4が嫌いだとかそういう事ではないし、これだけ長く使われるだけの理由があるのだろうとは思っている。ただし単純に、防衛力としてみた場合はF15でも徐々に差が埋まっているし、F35がいいのかも私には良く分からない(現在の防衛力が米国の動きはF22をやめているし、無人機へと以降している様相すらあるので)が、北朝鮮や中国との問題が緊迫した中この状態って言うのは何か原発の防災体制を思わせる不安がある。

*1:F15 2012年12月時点の保有数は201機

*2:F2 2012年12月時点の保有数は80機

*3:F-4EJ改 2012年12月末時点の保有数は56機

*4: F-4EJ 2012年12月時点の保有数(未改修機)は7機

*5:http://www.nikkei.com/article/DGXNASDD190DN_Z10C13A3TJ1000/