移民受け入れが多様性につながる?

 最近、移民を受け入れることが多様性につながる的な話を見た。一瞬理屈が良くわからなかったというか、違和感を感じた。特に多様性という理屈で移民を受け入れるのはロジックとして難しいと思う。経済規模を短期的にはほぼ大きくするとか違う理由なら割と良い部分もあるとは思うけど(日本に来る留学生の質量ともに欧米より遥かに劣っている日本で、そんな優秀な移民を日本が簡単に集めれるとは思えないので、質が悪い移民となって逆に教育や社会保障費の増大につながる可能性も相当高いと思うが)。移民を受け入れるかどうか日本がどう考えるかは別にして、それ以前に理屈として疑問を感じる。まず多様性とはなんだろうか、どういう意味で使っているのか厳密には分からないけど、おそらく多様な人がいるという事だろう。日本に外人がきたら人種の多様性が増すというような意味かもしれない。しかし、別の視点で見てみると、グローバル化というのはお互い情報や物や人種が混じるのだから、多様化というよりはむしろ均質化するわけで世界的なポジションで見たとき日本は個性を失う事を意味している。世界中がアメリカのような移民の国になったとしたらそれは逆に没個性であり多様化とは逆の方向性だ。それぞれが個性を維持するから多様化できるわけで、多様性って言うのは個性を認め維持される事を前提としている。だから多様であることが仮にいいと考えた場合も、多様性を維持するには全体から見て部分が個性を保たなければいけない。日本がガラパゴスで、日本人だらけの島だったとしてもそれは多様性を維持しているといえるわけで、割と難しい理屈のような気がする。