内閣解散の話

■解散について
 折角前に書いた話進んだのでここで答えあわせ的な話。野田首相は私が思ったよりずっと弱気だったのか、それとも自民と談合した団塊で0増5減で手を売っていて今までが茶番だったのか。結果的には微妙に私の予測とは違い「一票の格差是正」はするが「定数削減なし」で解散するらしい。ただし5減するので確定した違憲状態からは免れる。5減でも実際には一票の格差がまだかなり残るので問題は残すしもう一度裁判をしたら違憲となっておかしくはないが。
 野田さんは消費税を押し通したりと我が強いように見えたけど本当は単に自民と結託してただけなのかもしれない。元々民主党マニフェストで80議席減らす事になっていたので、前に提案していた40削減でも随分おかしいわけだが、今回はそもそも削減もしない案になっており、またもマニフェスト違反である。もはやマニフェストとはなんだったのか分からない状態。国民との約束より自民との約束を守るとは、また律儀な首相である。実質的には民主が折れて自民の0増5減をのんだ挙句、しかも与党を捨てての解散選挙なわけで、ほとんど民主のメリットが見えてこない。ここで大敗したら次の選挙の時に有利かもしれないという謎のメリットをテレビでは主張してたが、ほとんど妄言ではないかと。これでは野田さんは正直やった事からすれば民主党員というより自民党員といったほうがいいような内容で、それに対して民主の議員が不平が出るのは当たり前だし、あまりに選挙前のマニフェストと違うから小沢さんやその他の離反者(実際は離反してるは野田内閣の本体の方ではあるのだけど)が出るのはむしろ自然。逆に離反してない人にどうしてマニフェストと違っても問題ないと思うのかの説明責任がでている。まあ、私個人としては野田内閣は事態を改善しないと分かったので、全然解散してくれて問題ないけど。

だから具体的な行程が見えないんだよね - himadatenodeの日記
http://d.hatena.ne.jp/himadatanode/20121102/p1

■野田内閣総評
 0増5減という極めて違憲ギリギリではあるけど、一応1票の格差を埋める動きをしたこと。これははっきりと野田内閣の功績といっていいと思う。逆にそれ以外では事前に公約してない事ばかりしたり、尖閣でもめてみたり、オスプレイも沖縄も原発も上手く処理できず、よくわからない原発事故終息宣言。さらにTTPも歳出削減も棚上げして、増税しないと明言していた消費税を増税。野田さんの国民に向けた話は今の所何一つ信用できる話はないと見たほうがいい。ある意味、調整に失敗して米軍ともめてしまった鳩山さんや、尖閣問題の発端を作った仙石さんなんかに匹敵する問題を抱えている。この二人はやろうとした事が問題だったわけではなく、やった時に失敗してしまったという能力的な問題が大きかったが、逆に野田さんやろうとした事事態に政治的な問題がいくつもある。能力については消費税増税の結果を待って財政の動向を見ないと答え合わせできないと思う。

■選挙について
 今回の解散で幸運だったのは、結果的に政界再編に近い事が起きたという点。近年まれに見るほど選択肢が多くある選挙になるのではないだろうか。非常に投票に行く人にとっては、好都合な解散という気もする。若干難点を言えば第三極が連携を進める前に解散してしまうので、自民民主以外の所の票が分散してしまい。第三極に投票したい人は自分の意見が政治に影響する率が減っているとは思う。今回の解散は、自民民主にとっては第三極が選挙対策する前に叩く選挙対策になっている部分はある気がする。選挙対策としては解散を先延ばしにして勢力を削ぐか準備する前にタイミングをずらして選挙するかの2択だったわけで、ある意味解散も選挙対策になっている。この騒動で民主が分裂すればおそらく一番投票する側にはいい。民主の中にいる意見が違う人がそれぞれ分裂すると一番綺麗な政界再編になる気がする。民主の保守っぽい人は自民へ、革新は民主なら割と分かりやすい。第三極は今の所人気があるのは、構造改革路線とか、新自由主義っぽい人たちなので分かりやすい。第三極がまとまりきれてないので若干ごちゃごちゃしてるけど、過去の選挙は基本自民にするかしないかという選択肢だったわけで、次の選挙は大いに選択の余地があるいい選挙になる可能性も期待できる。