著作権とか製作労力に対する対価とか

著作権は混迷」「ダメと言ってもネットは止まらない」──東大中山教授 - ITmedia News
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0803/03/news033.html
クリプトン・フューチャー・メディアに聞く(4) 最終回:JASRACモデルの限界を超えて――「初音ミク」という“創作の実験” (1/3) - ITmedia News
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0802/26/news029.html

 コレを見て思った事とか。

■1円払う仕組み
 個人的に思っている事。まずFreeは駄目で1円でも良いから払う仕組みを先に作るべき。だと思う*1。実際皆1円位払っても良いと思ってるけど、1円払うための労力が大きすぎるとか。で、結局支払われない*2。労力が大きいと言うのは、まず1円振り込むために、どこかでID作って、そこにクレジットカードとか使う。もうこの時点で結構嫌な感じ。というか、自分だったらやらない。せめてプリペイドカード風に電子マネーみたいで払うとかなら、でも1円のために面倒かな*3。いずれにしても1円払う仕組みがあれば、1000倍くらいは、つまり1000円くらいは普通に払えるようになると思われ。
 具体例としては、携帯とかを見れば分かるけど、1円払うのが携帯料金で一所に払えてセキュアで簡単な携帯の場合、着メロとかゲームとか、動でもいいけど100円とかなら別に払っても良いという人が沢山居て普通にそれで売り上げが生じる。
 で、その場合でネットはどういう風になりそうか適当に妄想。例えばニコニコで再生が1円だったとすると、100万再生は100万円利益出るわけで、別に全く儲からないともいえない水準。みっくみくとか1000万くらい再生しているし。でも払う方からしたら200回くらい再生しても200円なら別に払っても良いというか。だって、コンビニでジュース買うくらいの値段だし、ニコニコの年齢層が低いとかいっても、今時の小学生でも別に払える。それでも今のCDに比べたらメチャメチャ安い。200回って5分の動画で200回したら16時間以上。凄いベビーユーザでも1日たった200円なら悪くないと思う。しかもCD買うより流動性選好きくわけだし。ニコニコはPVは1日数千万単位であるらしいから、仮に1円の支払いでも適当に計算すると、年間にすれば10 000 000 * 30 * 12 = 3 600 000 000で36億くらいにはなる。売り上げが110億のドワンゴ的には大きいんじゃないのとか。もし0.5円分くらい作者に還元すればプロには厳しくても、趣味でやるお小遣いくらいにはなるね。2次創作はどうするのかは華麗にスルー。

■順番が間違ってる
 もし、簡単に支払いが出来るシステムが出来たとして、それを使って音楽を販売したとして、CDは今までのように売れるかと言うと多分、同じ音楽を売っても全然売れないはず。だって、宣伝とかプロモーションがないからね。じゃあ、それをどうやって回避するかとか。
 まず、今までの方式で問題だったのはどれを宣伝するかとか、どれを販売するかとかを全部、中間部分で決定していた事だと思う。売るか売らないかは作者が決める事で、中間部分が決める事じゃないはず。宣伝する人が決めるのは宣伝するかしないか。であるべき。だと思う。これの意味している事は今の音楽業界事態が全部崩壊してしまえと言う意味でよく言われるようなことではなくて、逆に、余りに先進的過ぎる思想よりは、ずっと全体が調和してくれそうな方向性を考えるとか。つまり、既存の音楽業界は音楽広告業界へと変貌を遂げて製作業界になってしまわない事が大事なんじゃないのかと。製作するのは作者達がやれば良いし、そのクォリティを上げるのは製作補助会社がやれば良い。クリプトンの社長とは微妙に見方が違うけど、つまり、今のシステムは逆にまだ分業が十分じゃない。
 具体的に何が違うかと言うと、お金の流れる順番が違う。今までだと先に中間部分や宣伝しているような人たちの所へお金が流れ後に残ったのが作者達に行くわけだけど、常識的に考えたらコレは逆じゃないかと。普通作った人たちがお金を貰う。次に、宣伝してくれた人達に、契約した割合で払う。今も多分基本的にはこういう形なんだろうけど、お金の回収システムが巨大だったインターネット以前の世界と今を比べると、販売リスクが大きいからどうしても売る人とか宣伝する人がリスクを背負う。すると売りたくても売れない人が出てくる。それに比べて完全分業にすれば、例えば音楽業界が宣伝しないから売れないという風にはなりにくくて、売り上げを気にしないなら簡単に売れる。それにファンが宣伝してもいいし、どこかのピロユキとかが日記に書いてみたり、どこかのDankogaiが書評をするように音楽のアフィリエイトをやればいいのだ。つまり、作る人も個人レベルで作って、宣伝する人も個人レベルの完全分業でやれば、良いじゃないのとか。そうすれば、売り上げに対するアフィリエイトの利益率とかも音楽作ってる人が決めれるわけで、利益じゃないって人は全部0円でやっても良いし、宣伝して欲しいって人は全部宣伝費に割り当てても言いわけじゃないかと。

*1:これも勿論ニコニコが単体で実装しろと言う意味じゃなくて、そういう経済の枠組みを国とか位の大きい単位で先に作ってしまっても良いとかそれくらいの感覚。そうすれば、新聞だって、小説だってブログだって、全部コンテンツとして経済効果をもつ巨大な市場に変わる。

*2:1円を作るのに1円以上のお金が掛かるのに似ている。

*3:このスタイルはWebマネーとかでオンラインゲームになれてる人ならそれほどの抵抗感もないというか、コンビニとかで支払えて銀行とか使って振込みとか、引き落としよりも、単純だし、利用時間とか考えると、逆に便利だったりもする。勿論オンラインでも出来るし。後は携帯電話とかスイカみたいなのとか、プロバイダとかでコンテンツ料を電話代の頃のように一括して支払いと言う手もあるけど、ややこしくなるので、自分だったら、それなら代引きで良い感じ。