予定調和な未来図を乗り切るために何をするべきなのかを提示して欲しいわけで

選挙が近いので、ネット討論とかがあってみていたら、なぜ安倍さんが人気があるのか理解できないというコメが何個も付いていて、何で人気がなくなると思うのか私には理解できなかったので、何か書こうかと思ったけど結局4年前の自分の意見と今の自分の意見が変わってないのに気づいたくらい。ついでに前に何を書いてたのか見直してみたりしてたら、円安の話をしてるのも面白いなと思ったり。稀に私をアンチ安倍とでも思う人もいるみたいだけど、円安の話しとかは2010年に書いてるわけで今の安倍さんの大筋の経済政策自体はそんなに悪いとは思ってないんだよね。まあ、円安の話は自分で書いた事もすっかり忘れてたけど。ここで個別の問題に疑問があって散々自民政権にも文句を書いたりしてるけど、大筋ではやってる事は理解しやすい。というか、当時も今も他の経済の話の多くが、どうやってロジックがつながるのかが難しくて、そもそも何を言いたいのか私には理解できなかったというだけだけど。今も選挙が近いのでTVなどで政治の話をよく見る。ただ、私が頭が悪いのか、率直な意見だと大半の立候補者が何が言いたいのか理解できない。まず私が知ってる現状と違う事を言う人が多すぎて、政策とかじゃなくて、その話の背景に見えてる現状認識が何でそういう事になるのか不思議に思う所で話が終わってしまうというか。しかし何故か皆口をそろえてそれを言うわけで、何か私が酷く頭が悪くて何かに気づいてないのかなとかそんな気分すらする。実際そうなのかもしれないけど分かるように言って欲しいんだよね。

■私が考える今の状態

 私が勝手に思い込んでるだけ出ないとすれば今後20年位はこの流れはどうやったって変わらないと思うんだよ。

 財政赤字プライマリーバランスがどうとか今言ってる段階なので10年や20年たってもハイパーインフレでも起きない限り、解消するとは思えないし、出生率が来年から劇的に改善しても今生まれた子供が20歳くらいになるまでは結局既に生まれている子供の人数が少ない。子供自体が少ないので当然人口が減少する。そして既に生きている高齢者の人数が半端ではないので、どうあがいても高齢化も止まらない。労働力人口が減り、年金の支払いも高齢化で増える。医療費も同じ。そして、財政問題労働人口減少で年金や、社会保障は絞られる。もうこの辺は、予定調和というか。今更何をしても物理的に避けがたい方向性だと思うんだよ。で、それをどうするかという話をしてると思って聞いているのだけど何を言ってるのか理解できない。初めのリンクで書いてるように、結局その個別の問題は突き詰めると景気対策なんじゃないのって言う気がしてしまうので。

 有権者側が見てる視点はそこから付随して巻き起こる問題をどう最小限に抑えるかという話で。例えば年金を絞れば生活保護が嫌でも増えるし、生活保護も絞ればホームレスが増える。高齢化すれば介護が増え介護費用がかさむが、かといって自宅介護しても労働人口が減少する。しかし現状は需要や消費も同時に減少していて、雇用が余っているという事もなく求人倍率も低い水準手止まり、国の生産力だけが落ちている。非正規雇用も、今後の問題は非正規雇用の高齢化とかだと思う。今から劇的に減らす方向にしても少子化財政問題と同じようもう10年単位とかでのゆっくりとした移行になるしかにない。まして今は増加傾向なわけだから。その間に非正規雇用の人間自体が高齢化していく。この辺は年金と非正規の組み合わせや非正規の共働きで家計を回している所が沢山あるわけで、時間とともに平均年収や貯蓄率も下がっており、明らかに高齢者以外の収入に問題がある。これは時限爆弾のように高齢化して社会保障を圧迫する事が目に見えてる。しかも財政問題社会保障を絞らざるを得ない。非正規も1%とかなら別にいいかもしれないが、現状で既に36.7%もいるわけで。現在進行形で増加しており、しかも報道されている常識とは少し違い、絶対数で増えているのは派遣ですらなく、圧倒的に大量のパートとアルバイトという事実がある。

■ゲームの話
 ここでゲームの話とかも偶に書いているけど、最近遊んでたゲームに村を作るbanishedっていうインディーゲームがあって、村人が自動的に動くのを眺める箱庭ゲームだ。村人一人一人の動きを単純にシミュレートしているだけみたいなゲームだが、中々良く出来てる。このゲームではお金がないので実質的に食料が金銭の代わりに近い機能を持つ。このゲームでは人口の急激な増加のあと良くおきるパターン(恐らくゲームとしてデザインされたわけではなく一人一人の村人が動く事によって結果的にそういうパターンが頻発する)があって、人口が増えると初めは順調に生産力があがるのだが、増えすぎると人口増加にあわせて雇用施設が足りなくなる。それでも生産施設を用意しない場合、遊んでいるわけではないが便利屋的な非正規雇用の村人が増える。すると食糧生産が消費に追いつかなくなり、ある瞬間に備蓄がなくなり食糧不足が発生し餓死者が出てくる。餓死者の担当していた様々な施設の担当者が入れ替わるが、効率化されていた通勤ルートの劣化で効率が悪化しまた生産量が減る。その施設の道具を利用して生産率を上げていた食料の生産が結果的に落ち込んでいく。急激な餓死者の増加を防ぐ為、備蓄がある資材の生産を止め食糧生産に人員を流すと、今度はその生産停止した資材の不足により生産性が落ちたり燃料不足による凍死が発生する。連鎖的に起きる食料の減産と餓死者による消費の減少がつりあわずに更に餓死者が生まれる。そこで食料の消費を減らすために人口増加を抑制せざるを得なくなる。一定期間人口増加を抑制すれば食料消費と生産がつりあうはずだが、人口抑制と餓死者による消費の削減には一定の時間がかかり徐々に高齢化が進むのだ。食糧生産とつりあったと思った時に子供を増やすと子供は労働人口ではないので、食糧消費だけを増やしその間に高齢化した村人が急激に老衰し労働人口も同時に急激に減少する。するとまた増やした子供の消費を支えきれずに餓死が発生する。その間このゲームで興味深いのは労働人口減少に伴って雇用が増えるわけではないという点だ。理由は生産効率を上げるために付随する生産設備は人口減少によって需要も同時に減り不要にそこに人員を割り当てた場合また餓死者が発生してしまうので結局そこに村人は配置される事はないのだ。

些細な労働人口の余剰や資材不足を補う生産設備を作らなかった事が結果的に連鎖して、猛烈な人口縮小を生み人口縮小による生産力不足が、更に餓死を生むという構図が発生するのだ。文字にすると妙に複雑だが、恐らくこれはこのゲームをやった人なら確実に1度は見る定番のパターンといっていいと思う。むしろこのゲーム自体が、これを調整するような遊びをして楽しむゲームなのだ。何気なく楽しんでいるこのゲームの餓死は、あくまでゲームだが非常に興味深い面があると思うんだ。