雇用のミスマッチというインチキ理論

 雇用のミスマッチ?:今日のタイトルには就職難と雇用のミスマッチについてのニュースが流れていた日にしてもいいが、そういう話。最近事業仕分けとやらをしてるけど、就職支援とか名目で意味不明な事をやっているのも自分的には仕分けないのかな?と思う。リクルートかどこか知らないが旨い言葉を考えた(あるいは誰かが言ってるのを利用したのか知らないが)もので、何かと雇用のミスマッチという言葉を良く聞く。しかし、あれ今じゃ変じゃないかと。
 求人倍率:そもそも求人数が少ないという大前提を無視して雇用のミスマッチとか言い出したらおかしなことになるだろうと。雇用のミスマッチもまあ確かに影響はあるかもしれないが、むしろ、大事なのはそもそもの求人数だと思う。求人倍率を見て低下してれば職場が少ないというのがどう見ても就職難の一番の問題なのはいうまでもないはず。ここ10年程度はわざわざ雇用のミスマッチだなんて小難しい事を言うほど原因が分かりにくい雇用問題じゃない。色々妙な理由をつける前に、まずは業種を選ばなければ仕事はあるという嘘をいい加減やめたほうが良い。2009年10月の求人倍率は0.43*1。これで就職難じゃないほうが逆におかしい。ミスマッチだとかいうのは求人倍率が最低でも1以上あるときに言うべき。まあ、その前にまず求人倍率にもパートを含む倍率や新卒のみの求人倍率、派遣も含む求人倍率かとかを1つずつ出していけば、段々と実際の求人倍率の本当の数字が出てくる。それは0.43どころではないが。少なくとも今のように新卒が正規雇用にならない率が異常に高い現状をなかったことにしても0.43じゃそもそも求人がないという事実を無視できない。

 雇用対策は誰の雇用対策だか分かったものじゃない:雇用対策として政府から支払われてるのは雇用対策をする人の雇用を確保する為にしか機能していないと思えて仕方がない。結局就職のアドバイザーみたいなのができた所で雇用自体が増えてないんじゃそもそも効果がないと思う。まず、その雇用対策の雇用を学生にくれてやればそれだけでも就職率1%くらい伸びるんじゃないかと。まあ、以前国会中継か何かで聞いてたらハローワーク?みたいなのの受付の人がアルバイトで自給1000円程度で数人の事業所がなぜか何億かの金が毎年流れてたという話を国会で突っ込んでたが、どこかに委託して結局現場の人はアルバイトの自給でやってたとか冗談としか思えない*2

 本当の雇用のミスマッチ:思うに、もし雇用のミスマッチがあるとするならば、労働と賃金の関係じゃないかと。能力がある人が簡単に雇われ社員にならずに何かしようと思う状況になってないのがまず一番大きいミスマッチだと思う。常識的に考えて誰でできる仕事はなるべく能力がない人を入れる方がいいが、楽な仕事ほど入るハードルが高いという現状。単純な作業はアルバイト位の感覚で入れたらいいと思うよ。ただし儲からないとすればいい。今だと逆に能力がある人は企業に入ってどうでも良い程度の能力できる書類の仕事に忙殺されてしまい凄く仕事がしにくそうだし、能力がない人はどうでも良い仕事じゃなくて凄く難しい起業とかをしないと派遣やアルバイトから脱出できないみたいな。これでは逆じゃないかと。

 特殊な職種は誰でも出来るわけじゃない:以前によく言われていた職種を選ばなければ仕事があるみたいな話も酷い。介護が何故人を集めれないか考えたほうがいい。まず、誰でも出来るような容易い仕事じゃないってのと、その労力に見合ったお金が支払われるような仕事じゃないってことを無視しすぎ。つまり完全に市場原理を無視している。介護を本気で雇用にしようと思ったら賃金上げれば人は直ぐくると思うよ。ただしそれが意味するのは物凄い金を国がかけないと出来ないってこと。そもそも介護しても生産的な何かが生み出されるわけじゃないんだから割高なのは必然。かといって値段を高くすれば需要がなくなるという必然。結局他の人が支える事になるが、そこにお金を支払う事を容認できるほど国民は理論的じゃない。そんなに金を払いたくないなら自分で親を介護しろよと言いたいが、実際にはどこかに預けるわけだ。勿論現状でも介護の料金は安いとは言いにくいので非効率な中間搾取部分も確実に問題があるとは思うが、問題はそれ以前の所じゃないかと。何しろ国会議員とかの中には、これで労働力がないから海外から人を受け入れろって言うんだから、そういう人たちが雇用を作る率と雇用が奪われる率どちらが高いかは今のコンビニのアルバイトを見れば直ぐ分かると思うんだ。米みたいに"有能"な移民が憧れて集まって来るなら話は別だけどね。単に外人を召使のように使って介護して欲しいってだけならむしろ自分が海外に行けばいいと思うよ。

*1:NIKKEI NET(日経ネット):景気ウオッチ−GDPや月例経済報告など内外の主要経済指標 http://rank.nikkei.co.jp/keiki/roudou.cfm

*2:確かその話は公明党の案か何かでリクルートかどこかを経由してとかそんな話だった