放置力

 老人力みたいに放置力ってのがあるなぁと最近思う。タスク管理とかの話で、人間の精神的なことを考慮すると今すぐやるべき事以外は目の前におかない方が良いという話を本で読んだりしてなるほどとか思った。別に何かが忙しいというわけではないのに、いつも忙しいという人とかって結構いて、そういう人の様子を見ていると、実際に今やるべき事で忙しいと感じているのではなく、次にしなければならないこととか、将来的な予定が気になって、現在ではなんとも出来ない問題が精神を圧迫している。
 しかし、それじゃタスクリストが機能しないので、その重要度を直ぐに判断して取り合えずリストに入れておけば、後でめを通せばいいというのが本来のToDoリストみたいなものだと思うけど、日本人の性分だとToDoリストを放置しておけず、気になって何度も見てしまうので、本来の機能が悪化しているのではないかと。思ってみた。
 日本人が書く啓蒙書みたいなのだと、精神的な圧迫を防ぐために、その場で直ぐに判断を下せというパターンが多いけど、実際には時間をかけて判断をしなければいけないことの方が多くて、一瞬で判断できる事はそんなにない。と言うか問題があったとして、それを十分に中身まで理解するのは、暗記したものを思い出すような決断ではなく、数学のように、回答を導き出す作業が如何しても必要になる方が多い。または、ある期日にならないと、実行できないという時間的な制約が付いているとか。
 従って、始めの段階で出来るのは、この作業量を適当に見極めて、どれ位重要かを分類する程度しか出来ない方が多い。その分類を出来る限り早くして、後は実際今できる事をやって、今後やらなければいけないことは、放置しておく以外にはない。これを放置できない人は長期的なプランに携わると精神的に厳しくなってしまうように思う。それなら無駄に考えない方が良いくらいで。