最近、右翼と左翼の思想が入れ替わってるのが気になる

 この話はちょっと面白いなと常々思ってるのでネトウヨの不思議さについてなんか書く。例えば嫌韓志向のサイトや2chなどのネトウヨコメントの多くに見られる定番のフレーズにはこんなのがある。"「高麗棒子 」、非韓三原則「助けない、教えない、関わらない」、良い韓国人は「恥じて死んだ韓国人」だけだ。"こういうのだ。こういうコメントは前からかなりあり特に気にもしてなかったが、ふと考えて見たら日本の右翼とはかなり異質なものだなと。
どの辺が異質かというと、「高麗棒子」というのはもともと中国人の言葉でWikiには

高麗棒子(ガオリーバンズ、中: 高丽棒子、拼音: Gāolì bàngzi、朝: 고려봉자、日: こうらいぼうし、英: Gaoli bangzi)、あるいは朝鮮棒子(조선봉자)、韓棒子(한봉자)は、主に中国人が使う韓国・朝鮮人の蔑称。省略して棒子とも言う。中華圏では認知度の高い語彙で多用されるが、侮蔑語であるため、現在でも中国に住む朝鮮族はこの言葉を嫌っている。

とある。日本では全く一般的ではなく、この言葉を日本人が言う違和感は結構ある。そもそも何で日本人がそんな中国語を知っているのかまずその辺からして謎だ。ネトウヨと中国とのなんらかしらのつながりでもあるのかと疑いたくなる。さらに「良い韓国人は〜」というフレーズも一見右翼の思想に似てるが元は白人の言葉であり、実は本質的には右翼的な韓国への差別とはつながりが薄く、おや?と思わせるには十分だ。そもそも旧来の右翼の場合はターゲットは朝鮮人であり、韓国は反左翼の関係でむしろ厚遇してたわけで、いつの間にか北朝鮮から韓国へとターゲットが摩り替わっている。初期のネトウヨはこんな感じで分りやすく日韓分離の主張だけだったので北朝鮮などの共産主義勢力にとって有利な思想を吹聴していた。だから昔は北か中国か米国の左翼か何かだったんではないかと思っていたけど。ただ、それがいつの間にかどんどん違う主張が回りにくっ付いて、親米になり、反中になり台湾に対しても極めて友好的で。仮に元々は何かの工作だったとしても今や何かの違う勢力へと変貌している気がする。

そもそも日本の右翼によくある排他的な思想の元は尊王攘夷的なものだったと思う。天皇を尊び、夷狄を打ち払うという鎖国政策と密接に絡んだものだ。その後の第二次世界大戦ごろの興亜論(アジア主義)や大東亜共栄圏だのという発想も明らかに攘夷との関連性が見える。攘夷の逆側には開国政策で脱亜入欧な発想の方向性を打ち出されており、そこに既に日本の左翼と右翼的な対立軸が出来ている。その流れは第二次世界大戦後も続いていたはずだが、ネトウヨの思想はなぜか攘夷ではなくかなり極端な親米で旧来の右翼とはちょっと違う。中国や韓国とは疎遠にするべきだという主張も大東亜共栄圏というよりむしろ脱亜入欧であり、外交的な部分は何故か旧来の左翼に似てる。一方の左翼も戦後左翼は何故か反米で旧来の右翼に似ており、例えばTPPなどの開国政策にも反対なのだ。今の左翼は開国する進歩的な政策を押していた旧来の左翼と比べるとあまりに保守的で、一方の保守であるはずの自民がTPPを推し進めており実態と名称が完全に入れ替わっている。個人的な印象としては今のネトウヨはむしろ本質的には左翼なのではないかと。