ベンチマークで見るVistaと7とXP

 Vistaって結構酷評されてるけど、ベンチマークで見ると正直7と大差ない。一番違うのはメモリと起動時間で、これは確かに7がいい*1。XPは正直負けてると思う。まずはベンチマーク記事色々。

どういう風に記事が印象を操作しているか、という例。

 こういう風にグラフの書き方を変えると確かに嘘では無いんだけど、印象は大分違う。Gizmodoの記事は気にして見るとXPが優位に見えるように色々と工夫が凝らされている。どちらの記事も原文は同じなんだけど、Gizmodの記事は文章の強調部分やグラフの表示の仕方で手が加えられている。ZDNetJapanの翻訳と比較してみると面白いと思う。見たら分けるけどZDNetJapanの翻訳の方に近い。原文は↓

 似たようなベンチマーク記事を見ても、全体的に起動時間などの待ち時間系がwindows7は短くなっている。だから7の優位性を書きたいならそういう所でやればよかったと思うんだ。まあ、見る限りVistaですら待ち時間は正直XPと変わらないんだけどね。全体的に見るとVistaと7は能力は変わらず、待ち時間などを減らす工夫が7はVistaより進んでいる印象。しかし、実際使ってみると最近のPCだとスペックが高いので、実はVistaと7で体感できるほどの差は分かりにくかったりもする。CPUとかGPUのパワーで全体に時間が短縮しているので数秒の違いしか体感できないと意外と分からなかったりするんだ。今となってはXPは特にいい所なしだと思う。機能的に考えてもXPは一歩劣る。一番Vistaでよくないのはメモリ使用量だが、最近のPCはメモリを沢山詰んでいるので正直そこがネックになるのはXPでもギリギリのPCだった場合じゃないかと。逆に今はメモリは安くて余ってるので、メモリを余らせずに上手く使って遅くなる部分を早くする方がうれしいPCが多いんでメモリ関係は微妙な所。ただ7のメモリ使用量が少ないのでロースペックでも7のほうがよさそうに見える。特にXPが優位な部分の性能と言うのが速度が出なくて困る3Dとかではなく、パワーがなくても比較的動いてくれる部分なので体感として特に差を感じにくい。Vistaや7が動くPCならば正直言って問題になる所ではないと思う。XPが有利なのはIEとかが重過ぎるというようなPCに限られてくる。まあそういうPCの場合、そもそもIEを使わずに軽量ファイラと軽量ブラウザを使うと十分早いのでOSの問題ってよりIEの問題だと思う。堅牢性は体感としてXPよりVista以降の方がいいし、セキュリティ機能も使いこなせれば大分差をつけてXPよりいい。あとはゲームをする時の遅延があるという話くらいだけど、これも設定で普通に自分で変えれるので(それも比較的簡単に)そこまで問題とは思えない。動かない場合は別だけど、そろそろゲームも対応してきているので良いと思う。

 なんでこんな今更な話を書いたかっていうと、結局ユーザの視点でまともに評価できるのって、色々情報が揃って自分で使ってみてという条件が揃った段階だと思うんだよね。まあ、前に7の出るときに自分も何か書いてたけど、分からない時に推測する記事になりがち。結果的に見るとVistaもいわれていたほど糞OSではなく、むしろMSの巧みな戦略によって糞OSと評価された新カーネルOSを7と名前と体感速度だけ変えてもう一度出しなおして人気を獲得したという、営業戦略的な部分が大きいんだなと思わざるを得ない。

*1:ただし完全にシャットダウンするとVistaの方が速いようなので、昔ながらの使い方ならVistaにも利点がありそう